【2026年度診療報酬改定】急性期総合体制加算とは?新設の背景・点数・算定要件を徹底解説

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【2026年度診療報酬改定】急性期総合体制加算とは?新設の背景・点数・算定要件を徹底解説

総合入院体制加算と急性期充実体制加算が統合。5区分・3段階逓減の新評価体系を分かりやすく解説します。

2026年度改定
急性期入院医療
急性期総合体制加算
施設基準
病院経営

1. 急性期総合体制加算が新設された背景

2026年度(令和8年度)診療報酬改定において、これまで並存していた「総合入院体制加算」「急性期充実体制加算」が廃止・統合され、「急性期総合体制加算」として一本化されました。

統合のポイント

2つの加算は要件が複雑で重複が多く、病院側の事務負担が大きい状態でした。今回の改定で体系を整理し、病院の機能・実績に応じた5段階の明確な評価に再編されました。

改定前 改定後
総合入院体制加算(1〜3) 急性期総合体制加算(1〜5)に統合
急性期充実体制加算(1・2)

新加算は「病院単位の評価」を基本とし、診療科の総合性手術・救急実績の集積性を一体的に評価します。入院日数に応じた3段階の逓減制が導入され、早期退院を促す仕組みになっています。

2. 点数一覧(加算1〜5・3段階逓減)

急性期総合体制加算は5区分で構成され、入院日数に応じて3段階に逓減します。

区分 7日以内(1日につき) 8〜11日(1日につき) 12〜14日(1日につき) 対象入院料
加算1 530点 290点 210点 急性期病院A
加算2 470点 230点 150点 急性期病院A
加算3 440点 200点 120点 急性期病院A
加算4 360点 150点 90点 急性期病院A
加算5 300点 120点 60点 急性期病院A・B
注意

14日を超えた入院日からは算定できません。また、加算1〜4は急性期病院Aの届出が必要です。急性期病院Bで算定できるのは加算5のみです。

改定前と比較すると

旧・急性期充実体制加算1は最大440点でしたが、新・加算1は最大530点に引き上げられました。高い体制を整備した病院には手厚い評価となっています。

3. 算定できる病院の条件

急性期総合体制加算は、2026年度改定で新設された「急性期病院一般入院料(急性期病院A・B)」を届け出た病院のみが算定できます。

入院料区分 算定できる加算 主な特徴
急性期病院A 加算1〜5 高度急性期・救急・手術実績が豊富な大規模病院
急性期病院B 加算5のみ 地域の急性期拠点病院。人口20万人未満地域の救急受け入れ最多病院など

加算5(急性期病院B向け)の特例:人口20万人未満の二次医療圏において救急搬送受け入れ件数が最も多い病院は、上位加算で求められる施設基準の一部が緩和されます。症例数を積み重ねにくい地方の拠点病院への配慮措置です。

4. 各加算の主な施設基準

加算1(最上位)の主な要件

  • 急性期病院A一般入院料を算定する病棟を有すること
  • 地域において総合的かつ専門的な急性期医療および高度かつ専門的な医療を提供する十分な体制
  • 小児・周産期を含む十分な手術実績を有すること
  • 急性期の治療を要する精神疾患患者への対応体制・実績
  • 医療従事者の負担軽減・処遇改善に資する体制の整備

加算5(地域拠点型)の主な要件

  • 急性期病院AまたはBの届出があること
  • 二次医療圏において救急搬送受け入れ件数が最も多い病院であること(人口20万人未満地域)
  • 上位区分(加算1〜4)で求められる一部施設基準が緩和される
共通要件

全区分共通で、医療安全に関する取り組み、感染対策、医療従事者の負担軽減体制などの整備が必要です。具体的な基準値は厚生労働省の告示・通知で確認してください。

5. 自院は何加算を取れる?判定フローチャート

スタート:急性期総合体制加算を検討中
急性期病院一般入院料(A または B)を届け出ているか?

いいえ
急性期総合体制加算は算定不可。
まず入院料の届出要件を確認

はい
次のステップへ

急性期病院A の届出か?

いいえ(病院B)
加算5のみ算定可
(地域拠点要件を確認)

はい(病院A)
加算1〜5が対象。施設基準で区分を確認

小児・周産期含む高度手術実績+精神疾患対応体制あり?

あり
加算1を検討

一部不足
加算2〜4で要件を照合

届出のタイミング

2026年6月から新点数を算定する場合、可能な限り2026年5月18日までに施設基準の届出を行うことが推奨されています(厚生労働省 疑義解釈より)。

6. 経過措置

既存の届出医療機関(旧・総合入院体制加算・急性期充実体制加算届出病院)には以下3つの経過措置が設けられています。

1

地域包括医療病棟に関する基準の免除

一定期間、地域包括医療病棟の保有に関する施設基準が免除されます。

2

一般病棟の病床数割合に関する基準の免除

病床構成の割合要件について経過期間中は猶予が設けられます。

3

地域包括医療病棟入院料における届出制限の免除

急性期総合体制加算の届出に伴う地域包括医療病棟入院料の算定制限が緩和されます。

7. 届出前チェックリスト

届出を検討する前に以下の項目を確認しましょう。

急性期病院一般入院料(A または B)の届出状況を確認した
自院が目指す加算区分(1〜5)を決定した
手術実績・救急搬送実績の直近データを集計した
精神疾患患者の受け入れ体制・実績を確認した(加算1対象)
専門医の配置状況を整理した
医療安全・感染対策体制の整備状況を確認した
医療従事者の負担軽減・処遇改善に関する取り組みを整備した
人口20万人未満地域の病院は、救急搬送件数の地域内順位を確認した(加算5特例)
2026年5月18日までの届出スケジュールを確認した
経過措置の適用可否を確認した

8. よくある質問(FAQ)

Q旧・急性期充実体制加算1を届け出ていた病院は自動的に移行できますか?
A自動移行はありません。新たに急性期総合体制加算として届け出が必要です。ただし、経過措置により一部要件が緩和されるケースがあります。地方厚生局への相談を早めに行いましょう。

Q加算5は急性期病院Bでも取れると聞きましたが、大都市の病院でも対象になりますか?
A加算5のうち施設基準が緩和される特例は、人口20万人未満の二次医療圏において救急搬送受け入れ件数が最多の病院が対象です。大都市の病院は原則として特例の対象外となりますが、通常の加算5要件を満たせば算定は可能です。

Q14日を超えた入院患者には一切算定できないのですか?
Aそのとおりです。急性期総合体制加算は入院14日目までしか算定できません。15日目以降は算定対象外となります。急性期の短期集中治療を評価する加算という位置づけです。

Q加算1〜4の違いは点数だけですか?
A点数だけでなく施設基準の水準が異なります。加算1が最も高度な体制・実績を求め、加算4は加算3と同等の体制ながら実績水準がやや下回る病院を対象とする区分です。自院の実績と体制を正確に把握したうえで、届出可能な区分を選択してください。

Q届出の窓口はどこですか?
A所在地を管轄する地方厚生(支)局への届出が必要です。届出様式や添付書類については厚生労働省の改定資料および各地方厚生局のホームページで最新情報を確認してください。

本記事は2026年5月時点の診療報酬改定情報をもとに作成しています。施設基準の詳細や届出要件は厚生労働省の告示・通知・疑義解釈を必ずご確認ください。個別の算定可否については、所轄の地方厚生(支)局または専門の医療コンサルタントにご相談ください。

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