【2026年度調剤報酬改定】薬局の変更点とは?地域支援・医薬品供給対応体制加算・かかりつけ薬剤師フォローアップ加算・残薬調整加算を薬局・薬剤師向けに解説

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【2026年度調剤報酬改定】薬局の変更点とは?地域支援・医薬品供給対応体制加算・かかりつけ薬剤師フォローアップ加算・残薬調整加算を薬局・薬剤師向けに解説

後発医薬品調剤体制加算廃止・地域支援加算の再編5段階化・かかりつけ薬剤師指導料廃止・残薬調整加算新設など全変更点を整理。

2026年調剤報酬改定
地域支援・医薬品供給対応体制加算
かかりつけ薬剤師
残薬調整加算
在宅薬学総合体制加算
令和8年度改定

2026年(令和8年)6月の調剤報酬改定では、薬局・薬剤師に直結する大きな変更が相次ぎました。後発医薬品調剤体制加算と地域支援体制加算の統合・再編、かかりつけ薬剤師指導料の廃止と新たなフォローアップ加算の創設、残薬調整・有害事象防止の新加算など、収入構造が大きく変わります。

この記事では「何が廃止になるか」「新たにどんな加算が生まれるか」「算定要件はどう変わるか」の3点を薬局管理者・薬剤師向けにわかりやすく解説します。

① 改定の全体像

2026年調剤報酬改定は「対人業務の充実」「医薬品安定供給への対応」「実績に基づく評価」という3つの柱で構成されています。

今改定における調剤関連の主な変更の柱
  • 廃止:後発医薬品調剤体制加算(4段階)、地域支援体制加算(従来)、かかりつけ薬剤師指導料
  • 新設:地域支援・医薬品供給対応体制加算(5段階)、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月1回)、調剤時残薬調整加算、薬学的有害事象等防止加算
  • 見直し:在宅薬学総合体制加算の要件・区分整理、調剤基本料の変更

② 地域支援・医薬品供給対応体制加算(新設)

後発医薬品調剤体制加算(4段階)と地域支援体制加算が統合され、新たに地域支援・医薬品供給対応体制加算(5段階)が創設されました。

従来の制度との対比

廃止される加算 新設される加算
後発医薬品調剤体制加算(4段階:5点・15点・22点・28点) 地域支援・医薬品供給対応体制加算(5段階)
地域支援体制加算(従来)

新加算の点数イメージ(調剤基本料1の薬局)

区分 点数(調剤基本料1) 点数(調剤基本料1以外)
第1区分(最高水準) 67点 59点
第2区分 59点 40点
第3区分 40点 37点
第4区分 32点 32点
第5区分(基本水準) 27点 10点
全区分共通要件:後発医薬品使用率85%以上
地域支援・医薬品供給対応体制加算のすべての区分で、後発医薬品の数量割合が85%以上であることが要件となります。現在の後発医薬品使用率の確認が急務です。

算定のための主な要件(区分ごとに加算)

要件の種類 内容
後発医薬品使用率 全区分:85%以上(区分によりさらに高い水準を要求)
在宅医療への対応実績 在宅患者訪問薬剤管理指導料等の算定実績
地域医療への貢献 休日・夜間の対応体制、医療機関との連携実績等
医薬品供給対応 流通改善ガイドライン遵守、医薬品の安定供給体制の整備

③ かかりつけ薬剤師指導料廃止とフォローアップ加算新設

これまで薬局の対人業務の柱だったかかりつけ薬剤師指導料が廃止され、代わりに継続的な服薬フォローアップを評価する新加算が設けられました。

変更前 変更後
かかりつけ薬剤師指導料(廃止) かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回)
新設:かかりつけ薬剤師フォローアップ加算のポイント
  • 点数:50点
  • 算定頻度:3月に1回
  • 内容:かかりつけ薬剤師が電話等による服薬状況・残薬状況等の継続的な確認を行った場合に評価
  • 目的:処方箋調剤時だけでなく、来局から来局の間においても薬剤師が患者の状態をフォローする体制を評価
かかりつけ薬剤師指導料は来局時の対面指導を評価するものでしたが、新設のフォローアップ加算は「来局間のフォロー」を評価します。患者への継続的な関与(電話・SNS等による確認)が明確に求められる形に変わります。

④ 残薬調整加算・薬学的有害事象等防止加算(新設)

薬剤の適正使用・患者安全の観点から、2つの新加算が創設されました。

調剤時残薬調整加算(新設)

項目 内容
概要 患者等から残薬状況の聞き取りを行い、残薬調整(処方医への情報提供・処方量の調整)を実施した場合を評価
算定主体 薬局(調剤管理料の加算)
目的 残薬の削減・無駄な薬剤費の抑制・患者の適切な服薬管理

薬学的有害事象等防止加算(新設)

項目 内容
概要 服用薬剤の一元的管理(患者の全服用薬を把握)に基づく薬剤調整を実施した場合を評価
対象 ポリファーマシー(多剤投与)が問題となっている患者への薬剤整理を行った場合等
目的 相互作用・副作用・重複投薬等の薬学的有害事象を防止し、患者の服薬安全性を高める

⑤ 在宅薬学総合体制加算の見直し

在宅患者への薬学管理を総合的に評価する在宅薬学総合体制加算の要件が見直されました。

変更点 内容
要件の見直し 在宅薬学総合体制加算の施設基準が見直され、算定要件が整理される
区分の細分化 在宅薬学総合体制加算2について、単一建物診療患者1人(個人宅)の場合とそれ以外(施設等)の訪問薬剤指導時の評価が区分される
個人宅と施設の評価が分かれる

個人宅への訪問薬剤管理(1人)と、同一建物内の複数患者への訪問(施設)では提供する業務の実態が異なります。今改定では、この違いを反映した評価体系への整理が行われました。在宅業務を行っている薬局は、自薬局の患者構成を確認し、どの区分に該当するか確認してください。

⑥ 調剤基本料の変更

調剤基本料についても、面分業促進の観点から見直しが行われました。

調剤基本料は、大型チェーン薬局と中小薬局の格差是正・面分業促進の観点から継続的に見直されています。今改定では、特定の医療機関への集中率が高い薬局(門前薬局等)と、面として地域に貢献する薬局との評価の差異化が続けられています。自薬局の集中率・処方箋枚数を確認し、適用される調剤基本料の区分を把握してください。

⑦ 注意事項

注意1:後発医薬品使用率85%以上の達成が最優先

地域支援・医薬品供給対応体制加算のすべての区分で後発医薬品使用率85%以上が要件です。現在の使用率が85%未満の場合は、6月の施行までに改善が必要です。薬局のシステムで使用率をリアルタイムに把握できる体制を整えてください。

注意2:かかりつけ薬剤師指導料の廃止→収入計画の見直し

かかりつけ薬剤師指導料が廃止されます。新設のかかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月1回)は算定頻度・点数ともに異なります。現在の算定実績をもとに収入見込みの試算を行い、必要に応じて対応策を講じてください。

注意3:新加算は対応業務の実施記録が必須

残薬調整加算・薬学的有害事象等防止加算は、実際に残薬確認・薬剤調整を行ったことの記録(服薬指導記録・処方医への情報提供記録等)が算定根拠となります。記録なしでの算定は不正請求となります。

⑧ よくある質問

Q地域支援・医薬品供給対応体制加算の5段階のうち、どの区分を目指せばよいですか?
A自薬局の後発医薬品使用率・在宅対応実績・地域医療への貢献実績・医薬品供給対応体制を総合的に評価し、算定できる最上位の区分を目指すことが望ましいです。まず全区分共通の基本要件(後発医薬品85%以上等)を満たしたうえで、上位区分の追加要件を確認してください。
Qかかりつけ薬剤師フォローアップ加算の「電話等による確認」はどのような形で行えばよいですか?
A電話・SNS・アプリ等を通じて、患者の服薬状況・残薬状況・体調変化等を確認することが想定されています。確認の内容・日時・患者の反応を服薬指導記録に記載することが算定根拠となります。詳細な実施方法については改定後の通知をご確認ください。
Q残薬調整加算を算定するには処方医への情報提供が必要ですか?
A残薬調整加算は、患者等から残薬状況を聴取し、残薬が生じている場合に処方医へ情報提供を行い、処方量の調整等を実施した場合に算定します。単に残薬を確認しただけでは算定できません。処方医への情報提供記録を残すことが重要です。
Q薬学的有害事象等防止加算とポリファーマシー対策の関係は?
A薬学的有害事象等防止加算は、患者の全服用薬を一元的に管理し、相互作用・副作用・重複投薬等のリスクを評価したうえで薬剤調整(処方医への減薬提案等)を実施した場合が主な対象です。ポリファーマシーが問題となっている高齢患者へのアプローチが中心になります。

⑨ まとめチェックリスト

自薬局の後発医薬品使用率を確認し、85%以上を達成しているか確認した
地域支援・医薬品供給対応体制加算(5段階)の要件を確認し、算定可能な区分を把握した
後発医薬品調剤体制加算廃止後の収入変化を試算した
かかりつけ薬剤師指導料廃止とフォローアップ加算(50点・3月1回)への移行計画を立てた
調剤時残薬調整加算の実施手順・記録方法を薬局スタッフと共有した
薬学的有害事象等防止加算の対象患者(多剤投与・ポリファーマシー)を把握した
在宅薬学総合体制加算2の区分細分化(個人宅・施設)に対応した届出を確認した
流通改善ガイドライン遵守体制を整備し、医薬品供給対応加算の要件を満たした
令和8年6月1日の施行日に合わせて請求システムのマスタ更新を計画した
【免責事項】
本記事は2026年4月時点の情報(厚生労働省公表資料・告示・通知等)をもとに作成しています。調剤報酬の算定要件・点数は改定後に公表される告示・通知が正式情報です。算定にあたっては必ず最新の通知・施設基準をご確認ください。

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