【2026年歯科診療報酬改定】歯科の変更点とは?訪問歯科・口腔機能管理・在宅歯科医療推進加算の再編を歯科医師向けに解説

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【2026年歯科診療報酬改定】歯科の変更点とは?訪問歯科・口腔機能管理・在宅歯科医療推進加算の再編を歯科医師向けに解説

訪問診療料の引き上げ・在宅歯科医療推進加算の3段階再編・口腔機能管理料の細分化・実績要件の月次評価化など全変更点を整理。

2026年歯科診療報酬改定
訪問歯科診療
在宅歯科医療推進加算
口腔機能管理
歯科訪問診療料
令和8年度改定

2026年(令和8年)6月の歯科診療報酬改定では、訪問歯科診療の点数引き上げ・在宅歯科医療推進加算の3段階再編・口腔機能管理料の細分化・実績要件の月次評価化など、歯科医院・訪問歯科に直結する変更が多数行われました。

この記事では「訪問歯科診療料はどう変わるか」「口腔機能管理はどう評価されるか」「施設基準の届出で何が変わるか」の3点を歯科医師・歯科衛生士・歯科医院管理者向けに解説します。

① 改定の全体像

2026年歯科診療報酬改定は、在宅歯科医療の質向上・口腔機能管理の充実・実績に基づく評価の適正化という3つの方向性で構成されています。

今改定における歯科領域の主な変更の柱
  • 歯科訪問診療料:訪問2・3の点数引き上げ、訪問4・5の新設
  • 在宅歯科医療推進加算:一律100点廃止→3段階評価に再編
  • 口腔機能管理料・小児口腔機能管理料:各2区分に細分化
  • 在宅歯科栄養サポートチーム連携指導料:NST4(新設)・歯科衛生士算定可能化
  • 実績要件:「過去1年間」評価から「直近1か月」評価に変更(毎月評価)

② 歯科訪問診療料の引き上げ・新設

在宅・施設での歯科診療を評価する歯科訪問診療料が大きく見直されました。

区分 改定前 改定後 変更
歯科訪問診療1(同一建物1人) 888点 888点 据え置き
歯科訪問診療2(同一建物2〜9人) 361点 410点 +49点
歯科訪問診療3(同一建物10人以上) 185点 310点 +125点
歯科訪問診療4(新設) 新設 施設基準あり
歯科訪問診療5(新設) 新設 施設基準あり
訪問診療2・3の引き上げは、複数の患者を同一建物で診療する際のコスト・人件費の実態を反映した改定です。一方で、同一建物内の多人数診療(訪問3)は実質的に評価が見直される形となっています。訪問4・5については施設基準が設定され、基準を満たさない場合は減算となります。

③ 在宅歯科医療推進加算の3段階再編

従来、一律100点だった在宅歯科医療推進加算が廃止され、施設の機能・実績に応じた3段階の加算に再編されました。

変更前 変更後
在宅歯科医療推進加算(一律100点) 廃止
在宅歯科医療推進加算1(機能・実績が最も高い施設向け)
在宅歯科医療推進加算2(中程度の機能・実績の施設向け)
在宅歯科医療推進加算3(基本的な在宅歯科体制の施設向け)
注意:歯援診1・2・歯援病の届出がない場合は減算

訪問4・5については、歯科訪問診療料の届出(歯科訪問診療補助加算1・2・歯科病院訪問診療料)がない場合、施設基準を満たさないことになり減算となります。在宅歯科医療に関する届出の整理が必要です。

④ 口腔機能管理料の細分化

口腔機能の管理・リハビリを評価する管理料が細分化され、管理の内容・難易度に応じた評価体系になりました。

口腔機能管理料の2区分化

区分 点数 対象
口腔機能管理料1 90点 より専門的・集中的な口腔機能管理が必要な患者
口腔機能管理料2 50点 標準的な口腔機能管理の患者

小児口腔機能管理料の2区分化

区分 点数 対象
小児口腔機能管理料1 90点 より専門的・集中的な管理が必要な小児患者
小児口腔機能管理料2 50点 標準的な管理の小児患者
細分化の背景

口腔機能管理の重要性が広く認識される中、管理内容の難易度・専門性に応じた適切な評価を行うため、一律の点数から2段階評価への移行が行われました。患者の状態をしっかりアセスメントして適切な区分を選択することが必要です。

⑤ 栄養サポートチーム連携指導料の拡充

在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料について、算定主体と対象患者の範囲が拡大されました。

変更点 内容
算定主体の拡大 歯科医師のみならず、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が指導を行った場合も算定可能に
NST4(新設) 100点。自宅で療養している患者に対する歯科栄養指導を新たに評価
対象の拡大 入院・施設入居患者だけでなく、在宅(自宅)療養患者への指導も評価
歯科衛生士が栄養指導を実施した場合も算定できるようになったことで、歯科医院スタッフの専門性を活かした在宅患者への口腔・栄養支援が広がります。NST4の新設により、施設入居者だけでなく自宅療養の高齢患者へのアプローチも評価されます。

⑥ 実績要件の変更(月次評価化)

各種加算の施設基準における実績要件の評価方法が変更されました。

項目 改定前 改定後
実績要件の評価期間 過去1年間の実績で評価 直近1か月の実績で毎月評価
評価のタイミング 年に1回(改定時の届出時) 毎月更新・毎月評価
追加ルート 臨床研修施設としてのルートが追加
注意:月次評価化で毎月の実績管理が必要

実績要件が「直近1か月」の毎月評価に変わることで、月によって算定できる加算が変わる可能性があります。訪問件数・口腔機能管理件数等を毎月モニタリングし、施設基準を継続的に満たしているか確認する体制の整備が必要です。

⑦ 注意事項

注意1:在宅歯科医療推進加算の届出を見直す

従来の一律100点の在宅歯科医療推進加算が廃止され、3段階評価に再編されます。現在の届出が新体系のどの区分に対応するか確認し、令和8年6月1日の施行前に必要な届出変更を行ってください。

注意2:訪問診療4・5の施設基準を確認

新設の歯科訪問診療4・5は施設基準が設定されています。歯援診の届出がない施設では算定できない区分が生じる可能性があります。施設基準の詳細を確認し、必要であれば届出の整備を進めてください。

注意3:口腔機能管理料の2区分化→請求システムの変更が必要

口腔機能管理料・小児口腔機能管理料が各2区分に細分化されるため、電子カルテ・レセコンのマスタ設定を変更する必要があります。患者の状態に応じた区分の選択根拠も診療録に記載してください。

⑧ よくある質問

Q訪問診療3の点数が大きく上がりましたが、同一建物多人数の評価は改善されたということですか?
A訪問診療3(同一建物10人以上、185点→310点)は点数が引き上げられましたが、一方で訪問4・5の新設と施設基準の設定により、基準を満たさない場合は減算となる仕組みも導入されています。一律に評価が上がったわけではなく、質の高い在宅歯科医療を提供する施設を重点評価する方向への転換です。
Q口腔機能管理料1と2はどのように使い分ければよいですか?
A口腔機能管理料1(90点)は、摂食嚥下機能の障害が著しく専門的・集中的な管理が必要な患者が対象です。口腔機能管理料2(50点)は、標準的な口腔機能管理で対応できる患者を対象とします。詳細な算定基準については改定後の通知をご確認ください。
Q実績要件が「直近1か月」評価になると、訪問件数が少ない月は加算を外さないといけないですか?
A直近1か月の実績が基準を下回る場合は、施設基準を満たさないことになり、その月は加算を算定できなくなります。月次で実績を管理し、基準を下回りそうな場合は事前に体制強化を検討することが重要です。地方厚生局への届出変更の手続きについても通知で確認してください。

⑨ まとめチェックリスト

歯科訪問診療料2(+49点)・3(+125点)の点数変更を請求システムに反映した
歯科訪問診療4・5(新設)の施設基準を確認し、届出要否を判断した
在宅歯科医療推進加算(一律100点)の廃止と3段階加算への移行届出を準備した
口腔機能管理料・小児口腔機能管理料の2区分化(1:90点・2:50点)をシステムに設定した
在宅歯科栄養サポートチーム連携指導料:歯科衛生士での算定可能化・NST4新設を確認した
実績要件が「直近1か月」評価に変わることを踏まえ、毎月のモニタリング体制を整えた
歯援診1・2・歯援病の届出状況を確認し、訪問4・5の算定可否を確認した
【免責事項】
本記事は2026年4月時点の情報(厚生労働省公表資料・告示・通知等)をもとに作成しています。歯科診療報酬の算定要件・点数は改定後に公表される告示・通知が正式情報です。算定にあたっては必ず最新の通知・施設基準をご確認ください。

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