【2026診療報酬改定】ベースアップ評価料とは?外来・在宅・入院別の算定方法を解説

【2026診療報酬改定】ベースアップ評価料とは?
外来・在宅・入院別の算定方法を解説

令和8年度改定で拡充されたベースアップ評価料の対象職員・点数・届出手続きを開業医・クリニック事務・病院経営者向けにわかりやすく解説します。

2026診療報酬改定
ベースアップ評価料
賃上げ対応
令和8年度
開業医向け
クリニック経営

「ベースアップ評価料って何が変わったの?」「うちのクリニックは算定できる?」「届出の手続きはどうすればいい?」——令和8年度(2026年度)診療報酬改定では、医療スタッフの賃上げを支援するベースアップ評価料が大幅に拡充されました。本記事では、厚生労働省の公式説明資料をもとに、対象職員・算定方法・届出手続きまで丁寧に解説します。

① 賃上げ目標の全体像

令和8年度診療報酬改定では、医療機関等の職員の賃上げが最重要課題の一つとして位置づけられています。具体的な賃上げ目標は以下のとおりです。

対象職員 令和8年度目標 令和9年度目標
医療機関等の対象職員(全般) +3.2% さらに+3.2%
看護補助者・事務職員 +5.7%
令和8・9年度の2年間で段階的に引き上げる仕組みとなっており、令和9年度のベースアップ評価料は令和8年度の2倍の額に設定されます。

② 今回の4つの主な変更点

変更①:対象職員の拡大

これまでの対象職員に加え、新たに以下の職種がベースアップ評価料の対象となります。

  • 事務職員
  • 40歳未満の医師
  • 歯科衛生士(歯科ベースアップ評価料の新設)
  • 薬局薬剤師(調剤ベースアップ評価料の新設)
⚠ 対象外の方

経営者・法人役員は対象外です。また歯科・調剤については新たに専用のベースアップ評価料が新設されます。

変更②:継続的賃上げ実施機関への優遇評価

令和6年度以降、継続的に賃上げを実施してきた保険医療機関については、そうでない機関と異なる(高い)評価が受けられます。令和8・9年度のベースアップ評価は段階的に設定されており、令和9年度には令和8年度の2倍の額となります。

変更③:入院基本料の引き上げ(継続賃上げ機関のみ)

令和7年度以前からベースアップ評価を算定し、継続的に賃上げを実施している医療機関については、入院基本料が引き上げられます。

⚠ 重要:減算規定の新設

入院基本料の引き上げは「継続的賃上げ」が前提条件です。条件を満たさない医療機関には新たに減算規定が設けられます。賃上げ未実施の場合はマイナスになる可能性があるため注意が必要です。

変更④:夜勤手当への充当が可能に

ベースアップ評価料・看護職員処遇改善評価料で得た収入を、夜勤職員の夜勤手当の増額に充てることが認められるようになりました。

③ 対象になる職員・ならない職員

職種 対象可否 備考
看護師・准看護師 対象 従来から対象
看護補助者 対象 従来から対象
事務職員 対象(新規) 令和8年度から追加
40歳未満の医師 対象(新規) 令和8年度から追加
歯科衛生士 対象(新規) 歯科ベースアップ評価料(新設)
薬局薬剤師 対象(新規) 調剤ベースアップ評価料(新設)
経営者・法人役員 対象外 明示的に除外
40歳以上の医師 対象外 ベースアップ評価料の対象外

④ 算定できるか判定フロー

スタート:保険医療機関・保険薬局
❓ 令和6年度以降、継続的に賃上げを実施しているか?

いいえ ↓
令和8年度の新水準のみ算定可能
(継続区分には該当しない)

はい ↓
❓ 令和7年度以前からベースアップ評価料を届け出ているか?

↓(はいの場合)
✅ 継続区分として算定可能!
入院基本料引き上げ+令和9年度は2倍の評価

⑤ 外来・在宅・入院ベースアップ評価料の構造

外来・在宅ベースアップ評価料

区分 算定内容
(A)継続区分
令和7年度以前から届出済み
令和6・7年度のベースアップ評価料 + 令和8年度の新水準分 = 新たなベースアップ評価料
(B)新規届出
令和8年度から新たに届出
令和8年度の新水準のみ算定可能

入院ベースアップ評価料

入院についても外来・在宅と同様に、継続的な賃上げ実施の有無によって評価が分かれます。

区分 算定内容
継続賃上げ実施機関 既存評価料の引き継ぎ + 追加評価(入院基本料も引き上げ)
新規届出機関 令和8年度の新水準のみ

⑥ 賃上げ目標・評価の段階的引き上げ

年度 全般の対象職員 看護補助者・事務職員 ベースアップ評価料
令和6・7年度 (現行水準) (現行水準) 現行の評価料
令和8年度 +3.2% +5.7% 新水準(基準額)
令和9年度 さらに+3.2% 令和8年度の2倍
💡 ポイント:令和9年度の届出を忘れずに

令和9年度は自動的に2倍になるわけではありません。令和9年度も改めて施設基準の届出が必要です。届出を忘れると適切な算定ができなくなります。

⑦ 届出・手続きの手順

1

対象職員の確認・賃上げ計画の策定

新たに追加された事務職員・40歳未満医師なども含め、対象職員の範囲を確認し、賃上げ計画を立てます。

2

継続区分か新規区分かを確認

令和7年度以前からベースアップ評価料を届け出ていたかどうかを確認し、該当する区分を特定します。

3

地方厚生(支)局への施設基準の届出

ベースアップ評価料を算定するには、地方厚生(支)局への施設基準の届出が必要です。令和8年6月の改定施行前に届出を完了させましょう。

4

賃上げ実績の申告・記録管理

実際に賃上げを実施した場合は、賃上げ額を申告し適切に記録を管理します。継続的な賃上げの実績が次年度の優遇評価につながります。

5

令和9年度の届出(忘れずに)

令和9年度のベースアップ評価(令和8年度の2倍)を算定するには、改めて令和9年度の届出が必要です。

⑧ 注意事項・よくある間違い

⚠ 注意①:入院基本料の減算規定

入院基本料の引き上げは継続的な賃上げを前提としています。賃上げを実施していない医療機関には減算規定が新たに適用されます。令和6年度以降の賃上げ実績が問われますので、記録を適切に保管してください。

⚠ 注意②:令和9年度は自動更新されない

令和9年度のベースアップ評価料(2倍)は自動的に適用されません。改めて届出が必要です。

⚠ 注意③:夜勤手当への充当は「増額」に限る

ベースアップ評価料の収入を夜勤手当に充当できるのは、夜勤手当の増額分に限られます。既存の夜勤手当の置き換えには使えません。

⑨ よくある質問

Q事務職員も対象になりましたが、全員が対象ですか?
A経営者や法人役員を除く事務職員が対象です。パートタイムや派遣社員については、雇用形態に関わらず医療機関が直接雇用する職員が対象となります。詳細は正式な告示・通知をご確認ください。

Q令和6年度に届出をしていなかった場合、継続区分に該当しますか?
A令和7年度以前からベースアップ評価料を届け出ており、かつ継続的に賃上げを実施していることが継続区分の要件です。未届出の場合は令和8年度の新規届出区分として算定することになります。

Q40歳以上の医師は対象外ですか?
Aベースアップ評価料の対象は「40歳未満の医師」です。40歳以上の医師については今回の改定では対象外となっています。ただし、医師の賃上げについては他の仕組みも含めて確認が必要です。

Q歯科クリニックでも算定できますか?
Aはい。令和8年度から歯科専用の「歯科ベースアップ評価料」が新設され、歯科衛生士なども対象に含まれます。歯科クリニックは歯科ベースアップ評価料として届出を行ってください。

⑩ まとめチェックリスト

令和7年度以前から届出済みかどうか確認し、継続区分・新規区分を判断した
新たに追加された対象職員(事務職員・40歳未満医師・歯科衛生士・薬局薬剤師)を把握した
入院基本料の減算規定を確認し、継続的賃上げの実績記録を整備している
令和8年度の施設基準届出を地方厚生(支)局へ期限内に提出する
夜勤手当への充当を活用する場合は「増額分」のみに使用することを確認した
令和9年度(2倍の評価)の届出も別途必要であることを把握している
賃上げ実績の記録・管理体制を整備した

【免責事項】
本記事は2026年4月時点の厚生労働省公式資料・動画をもとに作成しています。算定要件・施設基準の詳細は正式な告示・通知・厚生労働省ホームページにてご確認ください。改定内容は変更される場合があります。

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