【2026年診療報酬改定】包括期・慢性期入院医療の変更点を徹底解説
地域包括医療病棟6区分化・回復期リハ点数増・療養病棟の要件強化
地域包括医療病棟は最大3,367点の6区分へ再編。回復期リハは強化体制加算新設で最大2,426点に。療養病棟は要件厳格化で機能分化が加速
「地域包括医療病棟の点数が6区分になると聞いたが、どの区分に該当する?」「回復期リハの強化体制加算って何?」「療養病棟の要件がまた厳しくなった?」令和8年(2026年)度診療報酬改定では、急性期を退院した後を受け持つ包括期・慢性期入院医療の評価体系が大きく見直されました。
特に地域包括医療病棟は「急性期病棟との併設有無」「緊急入院か予定入院か」「手術の有無」の3軸で6区分に細分化され、最高点数は3,367点に引き上げられます。回復期リハビリテーション病棟は新設の強化体制加算と合わせて最大2,426点を算定できるようになります。
この記事では各病棟種別の変更点・新点数・対応ポイントを、病院経営者・事務担当者向けにわかりやすく解説します。
📋 この記事でわかること
① 改定の方向性
令和8年度改定における包括期・慢性期入院医療の基本方針は「機能分化の徹底と質の向上」です。急性期病院から退院した患者を適切に受け入れ、在宅・介護施設への復帰を支援する機能を強化する一方で、要件を満たさない病棟は評価が引き下げられます。
| 病棟種別 | 主な改定の方向性 |
|---|---|
| 地域包括医療病棟 | 3区分×2タイプ(急性期併設の有無)の6区分に細分化。救急・手術機能を重点評価 |
| 地域包括ケア病棟 | 短期集中(40日以内)の評価維持・入退院支援の強化 |
| 回復期リハビリテーション病棟 | 強化体制加算の新設と成果指数の引き上げ。休日リハの義務化拡大 |
| 療養病棟 | 医療区分の高い患者比率要件を引き上げ。機能が重複する病棟の整理を促進 |
② 地域包括医療病棟の6区分化と点数
令和6年改定で新設された地域包括医療病棟(地メディ病棟)は、令和8年改定で6区分に細分化されます。現行は3,050点の1区分でしたが、以下の3軸で点数が分かれます。
- 軸①:急性期一般病棟を持たない病院(入院料1)/持つ病院(入院料2)
- 軸②:緊急入院か予定入院か
- 軸③:手術の有無
地域包括医療病棟入院料1(急性期病棟非併設)
| 入院パターン | 点数(1日) | 現行比 |
|---|---|---|
| 緊急入院・手術なし | 3,367点 | +317点 |
| 緊急入院・手術あり または 予定入院・手術なし | 3,267点 | +217点 |
| 予定入院・手術あり | 3,117点 | +67点 |
地域包括医療病棟入院料2(急性期病棟併設)
| 入院パターン | 点数(1日) | 現行比 |
|---|---|---|
| 緊急入院・手術なし | 3,316点 | +266点 |
| 緊急入院・手術あり または 予定入院・手術なし | 3,216点 | +166点 |
| 予定入院・手術あり | 3,066点 | +16点 |
急性期一般病棟を持たず、包括期医療に特化した病院(入院料1)のほうが入院料2より高い点数設定です。救急・緊急対応を積極的に担う小規模病院や専門病院にとって有利な設計になっています。
休日リハビリテーション提供割合やADL低下患者の割合に関する施設基準の一部が緩和されています。高齢患者が多い病院・小規模病院でも算定しやすくなります。
③ 地域包括ケア病棟の見直し
地域包括ケア病棟については、令和6年改定に引き続き「短期集中型(40日以内)」の評価を重視する方向が継続されます。急性期退院後の受け入れや在宅復帰支援の機能を強化した病棟が手厚く評価されます。
| 変更点 | 内容 |
|---|---|
| 入退院支援の強化 | 新設の入退院支援加算1(1,000点)の算定対象に追加 |
| 救急患者受け入れの推進 | 救急受け入れ実績に応じた評価の維持・強化 |
| 40日以内の評価区分 | 40日以内の入院に対する物価対応料(27点/日)も算定可能 |
④ 回復期リハビリテーション病棟の改定
点数の引き上げと強化体制加算の新設
| 区分 | 現行 | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 回復期リハビリテーション病棟入院料1 | 2,229点 | 2,346点 | +117点 |
| 強化体制加算(入院料1・新設) | — | 80点/日 | 新設 |
| 入院料1+強化体制加算(最大) | — | 2,426点/日 | — |
リハビリ成果指数の引き上げ
| 変更点 | 現行 | 改定後 |
|---|---|---|
| 入院料1のリハビリ成果指数(アウトカム評価) | 40以上 | 42以上 |
| 高度認知症・脊髄損傷患者の算定 | 一部対象外 | 対象に追加(重症患者の定義を拡大) |
休日リハビリテーションの義務化拡大
| 区分 | 休日リハビリ |
|---|---|
| 入院料1・2 | 従来より義務(変更なし) |
| 入院料3・4 | 新たに義務化 土日祝日も含む全日提供が必須に |
入院料3・4を算定している病棟で、休日にリハビリを提供していない場合は施設基準を満たせなくなります。人員体制・シフト管理の見直しを2026年6月施行前に完了させてください。
⑤ 療養病棟の要件強化
点数の引き上げと要件厳格化
| 区分 | 現行 | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 療養病棟入院料1 | 1,964点 | 2,035点 | +71点 |
医療区分の要件引き上げ
| 変更点 | 現行 | 改定後 |
|---|---|---|
| 療養病棟入院料2の医療区分2・3患者比率 | 50%以上 | 60%以上 |
医療区分2・3の患者比率が50%以上60%未満の病棟は、改定後に入院料2を算定できなくなる可能性があります。現在の患者構成を確認し、入院料区分の変更が必要か早急に判断してください。
医療区分は患者の医療必要度を1〜3で評価したもので、区分2・3ほど医療処置・管理の必要性が高い患者を示します。人工呼吸器使用・中心静脈栄養・重症の褥瘡管理などが区分2・3に該当します。
⑥ 入退院支援加算の拡充
包括期・慢性期病棟共通の重要な改定として、「入退院支援加算1」(1,000点)が新設されました。急性期退院後の患者を受け入れ、在宅・介護施設への復帰を支援する体制に対する評価が大幅に強化されます。
| 加算名 | 点数 | 対象病棟 |
|---|---|---|
| 入退院支援加算1(新設) | 1,000点 | 地域包括医療病棟・回復期リハ病棟・地域包括ケア病棟 |
入退院支援加算1を算定するには、専任の入退院支援担当者の配置・ケアマネジャー等との連携体制などの施設基準が必要です。すでに地域連携室・退院調整機能を整備している病院は、届出要件を確認して積極的に活用してください。
⑦ 対応ロードマップ
地域包括医療病棟の区分確認(〜2026年4月)
自院が急性期一般病棟を持つかどうか(入院料1 or 2)を確認。さらに入院患者の「緊急 vs 予定」「手術あり vs なし」の構成比を把握し、算定区分ごとの収益シミュレーションを行う。
回復期リハ病棟の成果指数・休日体制の確認(〜2026年5月)
入院料1のリハビリ成果指数が42以上を達成できるか確認。入院料3・4の場合は休日リハビリ提供体制(人員・シフト)の整備状況を確認し、不足があれば採用・体制変更を急ぐ。
療養病棟の患者構成確認(〜2026年5月)
入院料2を算定している病棟は医療区分2・3患者の比率(60%以上)を確認。未達の場合は入院料区分の変更届出を準備する。
入退院支援加算1の届出準備(〜2026年5月18日)
入退院支援加算1(1,000点)の施設基準(専任担当者配置・地域連携体制等)を確認し、要件を満たす場合は6月施行に合わせた届出(5月18日まで推奨)を準備する。
レセコン・電子カルテの設定確認(2026年6月前)
各病棟の新区分・新点数がシステムに正しく反映されるかベンダーに確認。特に地域包括医療病棟の6区分(緊急/予定・手術有無による分岐)はレセプト上の入力ルールが複雑になるため、早めに動作確認を行う。
⑧ よくある質問
⑨ まとめチェックリスト
本記事は2026年4月時点の厚生労働省資料および公表情報をもとに作成しています。診療報酬の算定ルールは告示・通知の内容が最終的な根拠となります。施設基準の届出・算定にあたっては必ず最新の厚生労働省通知・保険請求の手引きをご確認ください。本記事の情報を利用したことによるいかなる損害についても責任を負いかねます。

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