【令和8年度】業務改善助成金とは?介護事業所・介護職員の賃上げに使える助成金を徹底解説

【令和8年度】業務改善助成金とは?
介護事業所・介護職員の賃上げに使える助成金を徹底解説

設備投資で生産性アップ+賃上げで最大600万円!介護施設が今すぐ準備すべきポイントをわかりやすく解説します。

業務改善助成金 介護事業所 介護職員 賃上げ 最大600万円 令和8年度 中小企業・小規模事業者

「スタッフの賃金を上げたいが、どの助成金が使えるかわからない」「設備投資の費用を補助してもらいたい」——そんな介護事業所の経営者・担当者の方に向けて、業務改善助成金のすべてをわかりやすく解説します。

この記事では、「うちの介護施設は対象になる?」「いくら受け取れる?」「どうやって申請する?」の3点をまとめて解説します。令和8年度は2026年9月1日から申請受付開始予定で、準備期間が短くなっています。今のうちに内容を理解し、スムーズに申請しましょう。

💡 令和8年度のポイント
令和8年度から制度が大幅に見直される予定です。予算も前年度比20億円増の約35億円に拡充。受付期間は9月〜11月末と短いため、夏までに準備を進めることが重要です。

① 業務改善助成金とは?

業務改善助成金は、厚生労働省が実施する賃上げ支援の助成金制度です。中小企業・小規模事業者が「生産性向上のための設備投資等」を行い、あわせて事業場内で最も賃金の低い労働者の賃金(事業場内最低賃金)を引き上げた場合に、その費用の一部を助成します。

介護業界は人手不足・賃金水準の低さが課題となっており、業務改善助成金を活用して見守りシステムや介護ロボット等を導入しつつ職員の給与を引き上げる流れが広まっています。

項目内容
制度の目的中小企業の生産性向上 + 賃金引上げの促進
所管省庁厚生労働省(申請先:各都道府県労働局)
令和8年度 受付開始2026年9月1日(予定)
申請締切地域別最低賃金の発効日前日 または 2026年11月末日(いずれか早い日)
助成率3/4(事業場内最低賃金1,000円以上)/4/5(1,000円未満)
最大助成額600万円(90円コース・引上げ対象10人以上)
相談窓口業務改善助成金コールセンター:0120-366-440(平日9:00〜17:00)

② 対象になる介護事業所・ならない介護事業所

業務改善助成金には、事業者要件・賃金要件・事業要件の3つの条件があります。すべてを満たす必要がありますので、一つずつ確認しましょう。

事業者要件

条件要件の内容判定
企業規模中小企業・小規模事業者であること
(社会福祉施設・介護事業は常時使用労働者数100人以下が目安)
対象
みなし大企業大企業が実質支配する中小企業は対象外対象外
賃金差額事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差が50円以内であること
(令和8年度は要件変更予定・要確認)
要確認
不交付事由過去に解雇・雇止め・賃金引下げ等の不交付事由がないこと必須要件

対象労働者の要件

条件内容判定
雇用形態雇用保険の被保険者(正社員・パート・アルバイトも対象)対象
雇用期間申請時点で雇用後6か月以上経過していること必須
賃上げコースに定める金額以上の賃金引上げを行うこと必須
短時間労働者週20時間未満は雇用保険非加入のため対象外対象外
⚠ 注意:令和8年度の要件変更に注意

令和8年度は制度が大幅に見直される予定です。賃金差額要件や対象コースが変更される可能性があります。申請前に必ず最新の公募要領(厚生労働省HPまたは労働局)をご確認ください。

③ 申請対象かどうか判定フロー

以下のフローチャートで、自施設が業務改善助成金の対象かどうかを確認してください。

スタート:介護事業所の経営者・担当者
❓ 中小企業・小規模事業者ですか?
(みなし大企業に該当しない)
いいえ ↓
❌ 対象外
大企業・みなし大企業
はい ↓
❓ 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差が50円以内ですか?
いいえ ↓
❌ 対象外
差額50円超は申請不可
(令和8年度は要確認)
はい ↓
❓ 雇用後6か月以上の
雇用保険被保険者がいますか?
いいえ ↓
❌ 対象外
賃上げ対象者がいない
はい ↓
❓ 生産性向上のための
設備投資等を実施する予定がありますか?
いいえ ↓
❌ 申請困難
設備投資等が必須
はい ↓
✅ 申請できる可能性があります!
労働局または社会保険労務士に相談を

④ コース別・助成上限額一覧

業務改善助成金は、引き上げる賃金額(コース)引き上げ対象の労働者数によって助成上限額が決まります。以下は令和7年度の実績をもとにした目安です(令和8年度はコース改編予定)。

令和8年度の変更予定:従来の4コース(30円・45円・60円・90円)から3コース(50円・70円・90円)への再編が予定されています。正式な金額は2026年9月以降に公表される公募要領をご確認ください。

令和7年度 コース別上限額(参考)

コース(引上げ額)1人2〜3人4〜6人7〜10人10人以上
30円コース30万円50万円70万円100万円120万円
45円コース45万円70万円100万円150万円180万円
60円コース60万円90万円150万円210万円240万円
90円コース90万円150万円270万円450万円600万円

助成率

事業場内最低賃金助成率介護施設の多くは
1,000円未満4/5(80%)← 地方の施設に該当することが多い
1,000円以上3/4(75%)← 都市部の施設に多い
💡 計算例
介護スタッフ5人の賃金を60円引き上げ、見守りシステム(200万円)を導入した場合:
・助成上限額:150万円(60円コース・4〜6人)
・助成率:4/5(最低賃金1,000円未満の場合)
・助成額の目安:最大150万円

⑤ 介護施設での活用事例・対象経費

業務改善助成金では、生産性向上・労働能率の増進に資する経費が幅広く助成対象となります。介護施設での主な活用事例を紹介します。

カテゴリー具体的な経費・導入例
見守り・ICT見守りセンサー、介護記録ソフト・アプリ、タブレット端末(特例事業者のみ)、インカム
介護ロボット移乗リフト(スライディングボード等)、歩行支援ロボット、排泄支援機器
機械・設備電動ベッド、入浴リフト、自動洗浄機器、厨房設備
人材育成職員向け研修・教育訓練費、eラーニングシステム
コンサルティング業務フロー改善の専門家費用、経営コンサルティング
その他POSシステム、労務管理ソフト、委託費(業務効率化に関するもの)
⚠ 対象外の主な経費

・パソコン・タブレット・スマートフォン等の汎用端末(特例事業者以外は対象外
・建物の建設・改修費
・消耗品・日常的な備品
・単なる福利厚生費

⑥ 申請の手順(ステップ別解説)

1

制度の確認・事前準備(〜2026年8月)

最低賃金と事業場内最低賃金の差額を確認。導入したい設備の見積もりを取得し、引き上げる賃金額(コース)を決定します。令和8年度は申請受付が9月と短期間なため、夏までに準備を進めることが重要です。

2

交付申請書・事業実施計画書の作成(2026年9月〜)

厚生労働省ウェブサイトから申請様式をダウンロード。導入設備・賃上げ計画・期待される効果を記載した事業実施計画書を作成し、交付申請書に添付します。

3

都道府県労働局へ申請・審査

申請書類一式を管轄の労働局へ提出します(郵送または窓口)。審査後、交付決定通知が届いてから事業を実施します。交付決定前の発注・購入は対象外になるため注意が必要です。

4

事業の実施(設備導入・賃金引上げ)

交付決定後に設備の発注・導入と賃金の引上げを行います。賃金引上げは就業規則の改定または労働契約書の締結で対応します。設備の納品・賃金引上げをともに事業完了期限内に完了させることが必須です。

5

事業実績報告書の提出・支給申請

事業完了後、事業実績報告書支給申請書を労働局へ提出。支払いを証明する請求書・領収書、賃金台帳、就業規則等の書類を添付します。

6

助成金の振込・完了

審査完了後、指定口座に助成金が振り込まれます。通常、申請から振込まで数か月かかりますので、立替払いが必要な点を資金計画に組み込んでください。

⑦ 注意事項・よくある間違い

⚠ 注意①:交付決定前の発注・購入は助成対象外

業務改善助成金は「事前申請型」です。交付決定通知が届いてから設備を発注・購入する必要があります。先に購入してしまった場合は助成対象になりませんので、必ず交付決定後に購入してください。

⚠ 注意②:賃上げはすべての対象者に実施が必要

申請したコースで定めた金額以上の賃金引上げを、申請した対象労働者全員に実施する必要があります。一部の職員だけ引き上げた場合は不支給になることがあります。

⚠ 注意③:申請期間が短い(令和8年度:9月〜11月末)

令和8年度は申請受付期間が約3か月と短く設定される見込みです。書類の不備や準備不足で申請できないケースが多発します。夏(8月)までに見積もり・社内調整を済ませておきましょう。

⚠ 注意④:制度変更に要注意(令和8年度から大幅改編予定)

令和8年度はコース数・対象要件・申請方法が変更される可能性があります。必ず厚生労働省の公式HPまたは管轄の都道府県労働局で最新情報を確認してから申請してください。

⑧ よくある質問(FAQ)

Q介護施設でも業務改善助成金を使えますか?
Aはい。介護事業所も中小企業・小規模事業者の要件を満たせば申請できます。見守りシステムや移乗リフト、ICT介護記録ソフトの導入費用が助成対象となる事例が多くあります。
Qパートやアルバイトの介護職員も賃上げ対象になりますか?
Aなります。雇用保険の被保険者であり、雇用後6か月以上経過していれば、パート・アルバイトも対象に含めることができます(週20時間未満の方は雇用保険非加入のため対象外)。
Qすでに賃上げを実施した場合でも申請できますか?
A原則として、交付申請後・交付決定後に賃上げと設備投資を実施する必要があります。申請前に実施してしまった分は対象外となりますので、必ず先に申請してください。
Q見守りセンサーは対象経費になりますか?
A生産性向上・労働能率の増進に資すると認められれば対象となります。ベッドセンサーや離床感知センサー等、業務効率化や職員の負担軽減につながる機器は実績として多く認められています。申請時に「どのように業務改善に資するか」を明確に記載することが重要です。
Q申請は自分でできますか?社労士が必要ですか?
A自分で申請することも可能です。ただし書類作成が複雑なため、社会保険労務士に依頼する事業所も多くあります。労働局の窓口でも無料相談を受け付けていますので、まずはコールセンター(0120-366-440)に問い合わせてみましょう。
Q他の補助金と併用できますか?
A同一の設備・経費に対して複数の補助金を重複して受給することは原則できません。介護テクノロジー導入補助(都道府県補助)と業務改善助成金を同一機器に充てることはできませんので、用途を分けて計画することが必要です。

⑨ まとめチェックリスト

自施設が中小企業・小規模事業者の要件を満たすか確認した
事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額(50円以内)を確認した
賃上げ対象となる雇用保険被保険者(雇用6か月以上)が何人いるか把握した
導入したい設備・システムの見積もりを取得した
申請するコース(引上げ額)と対象労働者数から助成上限額を試算した
令和8年度の最新公募要領(厚生労働省HP)を確認した
申請書類の準備を2026年8月末までに完了させる計画を立てた
交付決定前に設備の発注・購入を行わないことを社内で周知した
不明点は労働局またはコールセンター(0120-366-440)に相談する
【免責事項・情報更新日について】
本記事は2026年4月時点の情報をもとに作成しています。業務改善助成金は年度ごとに要件・助成額・申請期間が変更されます。令和8年度の正式な要件・申請書類は、2026年9月以降に厚生労働省または各都道府県労働局より発表される公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当サイトは一切の責任を負いかねます。

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